モンゴルは、壮大な大自然と古代の歴史が交差する魅力的な国です。広がる大草原や砂漠、美しい湖畔など、息を飲むような景色が広がっています。
この記事では、モンゴルの観光地、アウトドア体験、食文化、旅行の準備について詳しく紹介しています。モンゴルの魅力に触れ、素晴らしい旅の思い出を作りましょう。
1. モンゴルの魅力を満喫しよう!人気観光スポットの紹介
1-1. ウランバートル市内のおすすめ観光スポット
チンギスハーン広場

ウランバートルの中心部に位置する「チンギスハーン広場」は、都市の象徴とも言える重要な観光スポットです。広場内にはモンゴル人の民族的誇りであるチンギスハーンの像が建っており、記念撮影に訪れる外国人観光客はもちろん、モンゴル人にとっても愛されている場所です。結婚式を終えた新郎新婦がここで記念撮影を行うことが習慣となっており、幸運なタイミングであれば、民族衣装「デール」を着た人々の姿を見ることも可能です。
この広場は、かつては「スフバートル広場」という名前で呼ばれていましたが、2013年に現在の「チンギスハーン広場」に改称されました。チンギス・ハーン像の他にもモンゴル革命の指導者スフバートルの銅像が広場の中央に立っています。その周囲には政府宮殿、オペラ劇場、市役所、証券取引所など、政治・経済・文化の中心となる施設が集まっています。
広場は休日になると家族連れやカップルが訪れ、自転車やローラースケートで楽しむ姿が見られます。さらに、国の式典やコンサートなど、様々なイベントも頻繁に開催されています。
ガンダン寺

モンゴルの主要な宗教であるチベット仏教の寺院の中でも、ウランバートル市内で最も由緒正しく、国民に深く尊崇されているのが「ガンダン寺」です。この寺院は1793年に清朝5代皇帝、雍正帝によって創建され、今でも多くのモンゴル人が参拝する場所として、また定番の観光スポットとして存在しています。
ガンダン寺は共産主義体制下で唯一宗教活動が許されていた寺院で、チベットの最高指導者・ダライラマ14世も何度も訪れています。しかし、この寺院はスターリン主義下のチョイバルサン独裁政権によって1938年に閉鎖され、多くの僧侶が虐殺された悲劇の歴史も持っています。
また、その時に略奪された御本尊である「観世音菩薩像」は、全長25mとモンゴルでも最大級の観音像で、元々はボグドハーン8世が自身の眼病治癒を祈願して奉納したものでした。現在の観世音菩薩像は2代目で、1996年に再建されたものです。この菩薩像には、この世のあらゆる災難から身を守ってくれるというご利益があると言われています。
ガンダン寺はモンゴルの宗教観や歴史を感じることができる場所であり、その内部にある巨大な観音像は見応えがあります。モンゴルの信仰や文化を深く理解するためにも、訪れることをおすすめします。
ナラントール・ ザハ

ナラントール・ザハはモンゴル最大の露天市場で、モンゴル語で「市場」を意味する「ザハ」が名前の由来です。街の中心に位置しており、もともとは人々が集まって物々交換をする場所として始まりました。かつてはブラックマーケットのイメージがありましたが、現在では豊富な品揃えと便利な立地から、市民や観光客、さらには首都で働く遊牧民にとって気軽に利用できるマーケットとなっています。
市場では日用品から馬具まで、ありとあらゆる種類の商品が並んでおり、「無いものがない」と言われるほどです。また、電卓を片手に値切り交渉を楽しむことも可能です。ゲル(モンゴルの伝統的なテント)の用具や珍しい動物、奇妙な骨製品、怪しげな食材など、日本人観光客にとっては見慣れない商品が多数販売されています。
外国語は基本的に通用しないため、外国人にとっては敷居が高いかもしれませんが、ほとんどの商品は格安で購入でき、モンゴル庶民の生活を垣間見るのに最適な場所と言えます。
1-2. ウランバートル郊外のおすすめ観光スポット
テレルジ国立公園
「テレルジ国立公園」はウランバートルから約70km東に位置し、車で約2時間の距離にある広大な国立公園です。四国がすっぽり入るほどの規模を誇る公園は、標高1,800m近くの高地に広がる手つかずの大草原や、高山植物が咲き誇る渓谷、澄んだ清流など、モンゴルの豊かな自然を堪能できる場所として人気です。
テレルジ国立公園では、乗馬トレッキングやハイキングといったアクティビティを楽しむことが可能で、その中でも特に人気があるのが撮影スポットとして有名な「亀石」などの奇岩石や高山植物を見学するコースです。また、ヤクやヘラジカ、鳥、熊などの貴重な保護動物を見ることもできます。
公園内にはウランバートルから路線バスが1日2便運行しており、手軽にアクセスできます。また、敷地内にはモンゴル遊牧民の伝統住居ゲルに宿泊できるツーリストキャンプがいくつもあり、水洗トイレや温水シャワー、レストランなどの設備が整っているため、ホテルのような快適さで大自然を満喫することができます。その夜には、大自然の中で満天の星空を鑑賞するという、一生の思い出になるような経験も可能です。
テレルジ国立公園はウランバートルから最も近いリゾート地として、そしてモンゴルの大草原の解放感を味わいたい人々にとっての一押し観光スポットとなっています。
1-3. カラコルム周辺のおすすめ観光スポット
カラコルム博物館
「カラコルム博物館」はモンゴル帝国の歴史と文化を理解するための重要な施設で、エルデニゾーの近くに位置しています。この博物館は日本政府のODA(無償援助)によって2010年に設立され、その設立には日本の青年海外協力隊も協力しています。
カラコルムはかつてモンゴル帝国の首都であり、世界有数の大都市でしたが、現在はその当時の面影を残す遺物はほとんど残っていません。しかし、「カラコルム博物館」では、その繁栄した時代のカラコルムの再現模型を見ることができ、都市の繁栄と衰退を実感することができます。
この博物館では、カラコルム跡から出土した文化財を中心に展示していますが、それに加えて、新石器時代以降の遺跡や国々の変遷の歴史、そして突厥時代やウイグル帝国時代の出土品も展示しています。
また、日本人観光客には特にうれしいことに、展示物には日本語の説明もついています。これにより、モンゴルの栄光の歴史を深く理解することが可能となっています。
1-4. ゴビ周辺のおすすめ観光スポット
ゴビ砂漠
ダランザドガドから約6時間の距離にあるゴビ砂漠は、モンゴルと中国内モンゴル自治区との境界に広がっています。この砂漠は、一般的な砂だけの景色だけではなく、まばらに草が生えている地域も含んでいます。モンゴル語で「ゴビ」は、このような土地を指す言葉です。
主な観光スポットとしては、「ホンゴル砂丘」、「ヨリーンアム渓谷」、「バヤンザグ」、そして「モルツォグ砂丘」が挙げられます。「ホンゴル砂丘」はモンゴル最大級の砂丘で、広大な砂丘が広がる幻想的な砂漠を体験できます。「ヨリーンアム渓谷」は標高2000mを超え、初夏でも氷河が見られます。「バヤンザグ」では恐竜の卵や化石が数多く発掘されており、近くの「モルツォグ砂丘」では美しい風紋を見ることができます。
訪問者はツーリストキャンプを利用してこれらのスポットを巡るツアーに参加したり、ラクダに乗って砂漠を散策することができます。ただし、南ゴビ砂漠は大陸性気候で乾燥し、年間を通じて気温の変動が大きいので、服装には十分気をつける必要があります。
2. モンゴルの自然とアウトドア体験
2-1.テレルジ国立公園の美しい自然
テレルジ国立公園はモンゴルで最も人気のある自然保護区で、緑豊かな森、清らかな川、壮大な岩山が広がっており、モンゴルの大自然を肌で感じることができます。
例えば、一日を通して行えるトレッキングでは、森林の中を歩きながら、モンゴル特有の野生動物や植物を観察できます。また、山間の清流での釣り、岩山でのクライミングなど、アウトドア体験も豊富です。一方で、静かに自然を愛でることも可能で、夕暮れ時には美しい夕日を眺めながらリラックスすることができます。
繁忙期を避ければ、人里離れた場所で星空観察も楽しめます。ここでは光害がほとんどないため、肉眼で天の川を見ることも可能です。このように、テレルジ国立公園はまさに自然愛好家の楽園です。
2-2. ホンゴル砂丘の砂漠探検
あなたがアドベンチャーを求めるなら、ホンゴル砂丘での砂漠探検がおすすめです。ホンゴル砂丘はモンゴル南部のゴビ砂漠に位置し、全長180km、最大幅115kmの広大な領域を持つ砂丘です。
ホンゴル砂丘で最も人気のある体験は、フタコブラクダに乗って広大な砂漠を探検すること。ラクダに揺られながら見渡す限りの大砂漠を進む体験は、都会の喧騒から離れ、大自然と一体化する究極のアウトドア体験です。また、夕方になると、日没によって砂丘が美しいオレンジ色に染まり、その壮大な光景は一生忘れられない経験になるでしょう。
その後、砂漠の静寂の中で星空を観察するのも一興です。ここでは光害がほとんどなく、肉眼で天の川を見ることもできます。このような体験はホンゴル砂丘ならではです。
2-3. 大草原で星空満喫のテント泊
モンゴルの自然の美しさの一つは夜空に浮かぶ満天の星空です。モンゴルにはナライハ大草原、ハルチョロート草原やゴーリンダワー草原といった広大な草原があり、その中でテントを張り、焚火をしながら夜空に輝く星々を観察することができます。都会の喧騒から離れて心と身体をリラックスさせ、のんびりとモンゴルを満喫してください。
また大自然の移動では乗馬を体験することもできるので、モンゴルの魅力が詰まった体験になることは間違いありません。
星空をさらに満喫するためには、新月の時期にぜひ訪れてみてください。
2-4. バヤンザグでの恐竜化石探索
歴史と科学に興味がある方には、バヤンザグでの恐竜化石探索がおすすめです。バヤンザグは、「恐竜の谷」の愛称で知られ、20世紀初頭に世界初の恐竜の卵の化石が発見された場所です。
一部のツアーでは、プロのガイドと一緒に化石探索の体験ができます。専門家の解説を聞きながら化石を探す過程は、大昔の生命の謎を解き明かす興奮と驚きを提供します。また、その地形自体が美しい赤色の砂岩で覆われ、昔の地球の風景を想像させます。
恐竜の卵の化石発掘の歴史や地球の過去を学ぶことができるバヤンザグは、科学愛好家にとって見逃せない場所です。
2-5. フブスグル湖国立公園の豊かな自然
最後に、フブスグル湖国立公園の豊かな自然を紹介します。フブスグル湖はモンゴル最大の淡水湖で、清澄な水と周囲の壮大な山々が美しい景観を作り出しています。
湖畔でのキャンプやハイキング、釣りなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。湖には多種多様な魚類が生息しており、釣り愛好家には天国のような場所です。また、ハイキングでは壮大な自然の風景を満喫できます。
湖と山々の美しい景観を眺めながら過ごす時間は、人々に癒しとリフレッシュを提供します。その美しさと豊かな自然は、フブスグル湖国立公園がモンゴルを訪れる人々に愛される理由です。
3. モンゴルの食文化とグルメ
3-1. モンゴル料理の特徴とおすすめの料理
モンゴル料理は極めて肉重視の食文化で知られています。特に羊肉がよく使われ、乾燥肉やスープ、蒸し物として調理されることが多いです。これはモンゴルが遊牧民族の文化を持ち、寒冷な気候のために肉と乳製品が主食となっているからです。
具体的な料理としては、「ホルホグ」や「ボーズ」が代表的です。「ホルホグ」は石で焼いた羊肉や野菜のシチューで、特殊な調理法により肉の旨みが凝縮されています。「ボーズ」は蒸した餃子のような料理で、肉汁溢れる具材が魅力の一品です。
これらの料理を食べることで、モンゴルの食文化の深さを堪能することができます。
3-2. モンゴルの伝統的な飲み物
モンゴルの飲み物は乳製品を主体としており、その風味の多様性が魅力です。その中でも、「アイラグ」は馬の乳から作られた発酵飲料であり、ユニークな酸っぱさと泡立ったテクスチャーが特徴。「スーテイ・ツァイ」は塩と乳脂肪を加えたお茶で、一見奇妙な組み合わせかもしれませんが、この飲み物はモンゴルの日常生活に欠かせない一部となっています。
飲み物もまた、モンゴルの食文化を深く理解するための重要な要素です。
3-3. モンゴルの食事のマナーと習慣
モンゴルの食事マナーは、その地域の歴史や文化に大きく影響を受けています。また、飲み物を一口飲む習慣は、ホストに対する敬意として行われることが多いです。
これらのマナーや習慣を理解し、尊重することで、現地の人々との交流がより深まり、モンゴルでの食事体験はより充実したものになります。
4. モンゴルへの旅行の準備
4-1. ビザ・入国手続き
モンゴル旅行の計画には、ビザと入国手続きの確認が不可欠です。日本国籍の旅行者は、30日間以内の滞在であればビザ免除となりますが、それ以上の滞在や商用訪問の場合はビザが必要となります。
ビザ申請は、モンゴル大使館または領事館で行うことができます。申請にはパスポート、申請書、写真、及び滞在費用を証明する書類(航空券やホテルの予約確認書等)が必要です。申請は旅行の数週間前に始めることをお勧めします。
モンゴルへの旅行準備では、ビザと入国手続きの確認が重要なステップであり、それによってスムーズな旅行を実現できます。
4-2. モンゴルの通貨・物価
モンゴルの通貨はトゥグルグで、物価は日本に比べて比較的安いです。しかし、価格は地域やサービスの種類により大きく異なるため、具体的な価格については現地の情報をチェックすることをお勧めします。
一般的に、地元の飲食店での食事は数千〜数万トゥグルグ、市内のタクシーの運賃は1kmあたり2千トゥグルグです。クレジットカードは都市部のホテルやレストランでは広く受け入れられていますが、地方では現金が主に使われます。なお、外貨の両替は空港や銀行で可能です。
通貨と物価の理解は、モンゴルでの生活をスムーズにし、無駄な出費を防ぐために重要です。
4-3. モンゴルとの時差
日本とモンゴルの間には時差があります。モンゴルはUTC+8のタイムゾーンにあり、日本(UTC+9)とは1時間の時差があります。
たとえば、日本で正午の場合、モンゴルでは午前11時です。この時差を理解しておくことで、通信や旅行スケジュールの計画がスムーズに行えます。
4-4. モンゴルの言語
モンゴルの公用語はモンゴル語です。英語は首都ウランバートルのホテルやレストランなどでは通じますが、地方や市場では通じないことが多いです。
より良い旅行体験のために、基本的なモンゴル語のフレーズを覚えておくことをお勧めします。例えば、「こんにちは」は「Сайн байна уу?」(sain baina uu?)、そして「ありがとう」は「Баярлалаа」(bayarlalaa)です。
モンゴル語の基本的な知識は、モンゴル人とのコミュニケーションを可能にし、旅行をより豊かで楽しいものにします。
4-5. モンゴルの治安・注意事項
モンゴルは比較的安全な国ですが、旅行者は常に注意が必要です。特に夜間の外出や、人々が密集している場所では貴重品の管理に注意することが重要です。
また、モンゴルでは地元の習慣や法律を尊重することが期待されます。例えば、ゲル(モンゴルの伝統的なテント)を訪れる場合、右足で先に入る、酒を断らないなどのマナーがあります。
モンゴルでの安全な旅行と文化的な敬意は、治安と注意事項の理解によって可能になります。
5. まとめ
モンゴルは美しい自然と独特の食文化、歴史的な観光地が豊富な国であり、アウトドア体験や食事の楽しみ方、旅行の準備までを包括的に考慮して旅行計画を立てることが重要です。
ウランバートルのガンダン寺や、草原地帯のエルデネ・ゾーなど、モンゴルには訪れる価値がある歴史的な観光地が数多く点在しています。また、モンゴルのアウトドア体験は他に類を見ないもので、テルレジ国立公園の美しい自然探索からホンゴル砂丘での砂漠探検まで多種多様です。
モンゴルの食文化もまた、その魅力の一部です。羊肉を中心としたユニークな料理や乳製品を主体とした飲み物は、一度試してみる価値があります。