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モンゴルのパワースポット5選|祈りとエネルギーが息づく聖地めぐり

オボー

サインバイノー!ツォクトモンゴル乗馬ツアーのスギウラです。

モンゴルを旅してみたい。でも、観光名所を巡るだけじゃ物足りない——そんな方にこそ出会ってほしいのが、ひっそりと力を宿す“パワースポット”たち。

祈り、修行、自然との共鳴。人々が大切に守ってきた場所を巡れば、あなたの旅にもひとつの軸が見えてくるかもしれません。

モンゴル パワースポットとは

大地に力が宿るとき、人はそこに立ち止まりたくなる。

モンゴルには、そんな空気をまとった場所がいくつもあります。

「パワースポット」といっても、モンゴルの場合はちょっと独特。地元の人たちが「エネルギーがある」と大切にしてきた場所が、信仰や修行の場としても残されてきました。今回は、その中でも旅人に人気のあるモンゴルのパワースポットを9か所ピックアップ。

観光ガイドにはあまり載っていない、“感じる旅”のきっかけになれば嬉しいです。

ウランバートル近郊の聖地|ボグド山とトーラ川

モンゴルの人々は昔から、山や川には“神様が宿る”と信じてきました。

自然とともに生きてきた彼らにとって、それは信仰であると同時に、暮らしそのものなのです。

信仰の対象として守られてきたボグド山

標高約2,260mのボグド山(Bogd Khan Uul)は、13世紀にはすでに神聖な山として崇められてきました。木を伐るときはお菓子や乳製品を供えて許しを乞い、山頂の「オボー」と呼ばれる石塚には願いが込められ、参拝者の祈りが静かに積み重なっていきます。

今でも、ウランバートルの人々が毎朝ミルクを山に捧げる習慣が残っているとも言われるこの山は、単なる自然景勝地ではなく、暮らしと信仰が交わる場所としてモンゴルの人々に深く根付いています。

チンギス・ハーン(チンギス・カン)の伝説にも登場するトーラ川

市内を流れるトーラ川(Tuul River)は、ボグド山と並ぶもうひとつの重要な存在。川の水で身体や武具を清めてから戦地へ向かったという、チンギス・カンの逸話も語り継がれています。

モンゴルでは「川を汚すこと」は強いタブーとされ、神聖な場所として敬意を持って接するのが習わし。川の名前を子どもに付ける風習があり、「トーラ」という名前を持つ女性も少なくありません。

日常の中にある信仰のかたちが、この川の流れに今も息づいています。

東ゴビの聖地ハマリンヒード|スピリチュアルな旅の中心地

モンゴル南部の町サインシャンドから車で約1時間。赤茶けた大地の中に突如として現れるのが、パワースポットの名で知られるハマリンヒード寺院です。

かつてここは、信仰と芸術、修行と再生が交わる特別な場所でした。

ダンザンラブジャーの足跡と再興の物語

ハマリンヒードを築いたのは、19世紀の活仏ダンザンラブジャー。僧侶でありながら、医師、詩人、劇作家、教育者でもあった彼は、ゴビの地に仏教文化を根づかせようと活動しました。彼が設立した僧院には劇場や書庫もあり、宗教だけでなく文化の発信地としても栄えたといいます。

しかしその後、1930年代の社会主義時代に多くの寺院が破壊され、ハマリンヒードも壊滅。ダンザンラブジャーの弟子たちは仏具や経典を密かに守り続け、90年代以降に再建が進みました。

今では再び信仰の場として、多くの人々が訪れる場所になっています。

生まれ変わりを体感|エネルギーセンターの見どころ

荒涼としたゴビの大地の中に、静かに広がる“赤いゾーン”。ここはハマリンヒードのもう一つの顔、「シャンバラランド」とも呼ばれるエネルギーセンターです。

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、モンゴルでは“願いが届く場所”として地元でも熱い信仰を集めています。

赤土に寝転ぶと、エネルギーが流れ込む?

真っ白な大地に混じって、はっきりと赤く変色した土の一角。「地球のエネルギーが湧き出している」といわれるエリアです。

訪れた人々は、まるで地球に耳を澄ませるかのように、この赤土に寝転んで“チャージ”していきます。近年では、赤土の上で携帯電話を使うと「そのエネルギーが通話相手にも伝わる」というウワサまで……。

“母の産道”をくぐって生まれ変わる洞窟体験

エネルギーセンターの敷地内には、かつて僧侶たちが108日間の修行を行ったとされる瞑想洞窟も点在しています。中でも有名なのが、“母の産道”と呼ばれる小さな洞穴。

大人が四つん這いになってようやく抜けられるほどの狭さで、くぐり抜けた先には「生まれ変わった自分が待っている」と伝えられています再生と浄化──スピリチュアルな旅に惹かれる人なら、この体験はきっと心に残るはず。

願いを捧げるスポット|女性たちの祈りの場所

ハマリンヒードの丘に、ぽつんと立つ不思議な形の岩。地元では“マームハット”、通称「おっぱい岩」と呼ばれ、女性の願いを受け止める特別な場所として知られています。

女性のために築かれた祈りの場

かつてこの地域には、黒い山「ハーリハン」で祈願する慣習がありましたが、そこは女人禁制。信仰の対象に近づくことすら許されなかった女性たちのために、ダンザンラブジャーが僧院近くの丘に築いたのが、このマームハットです。

祈りのかたちは今も変わらず

現在の岩は、復興の際に再建されたものですが、信仰の形は変わっていません。

多くの女性たちが青い布「ハタク」を岩に結び、ミルクやナッツを捧げながら時計回りに3周歩き、岩に手や額をそっと当てて、願いをささやきます。

岩にしみ込むミルクの跡は、そのまま多くの祈りの証。モンゴルの大地と空の間に、今も息づく“お願いの場所”です。

死者への祈りと絶景|黒い山ハーリハン

ハマリンヒードの近くにそびえる、黒く力強い姿の山。ハーリハン山は、かつて多くの人が願いを託した祈りの場であり、同時に死者への祈りを捧げる場所でもありました。

“天国の入口”とも呼ばれるこの場所は、今もモンゴルの人々の心の中に生き続けています。

今も続く、静かな願掛けの文化

ハーリハンはかつて、男性のみが登ることを許されていた女人禁制の山でした。今では登山道も整備され、女性も途中まで登ることができますが、山頂は今も祈りの聖地として特別視されています。

山の頂にはオボー(石を積んだ祠)があり、人々が願いを込めた供物を手に登り、静かに祈りを捧げていく場所。周囲を360度見渡す絶景の中、風に乗ってどこか荘厳な空気が流れるこの場所は、言葉にならない静けさと力に満ちています。

モンゴルでパワーを心を整えるということ

パワースポットを巡る旅は、ただ神秘を体験するだけではありません。広大な自然の中で心が整う瞬間や、何気ない行動がいつの間にか祈りになっていることがあります。

祈るという行為の意味

モンゴルの人々にとって「祈る」とは、神頼みというより、自分や家族のために静かに願いを立てること

山に手を合わせたり、石を積んだり、ミルクをそっと捧げる行為は、日常の一部として根づいています。例えば、私が以前ゲルに泊まり、遊牧民とお酒を飲んでいたとき、彼らは天に向かってお酒を巻いて祈りを捧げていました。

観光地として訪れる場所でも、そこには地元の人の生活や思いが重なっています。その土地に触れることで、祈るという行為の背景にある文化や考え方にも自然と出会えるはず。

感じ方は人それぞれ

「何か感じた」と思う人もいれば、正直「よくわからなかった」という人も。私自身パワースポットに行き、「よくわからなかった」という経験をしたことが何度もあります。

でもそれでもいよいのだと思います。

大事なのは、その場所に立って何かを受け取ろうとした時間そのもの

あとになって、忙しい日々のなかで自分の呼吸を取り戻すヒントになることもあります。モンゴルの風や音、空の広さが、ゆっくりと心に届いてくる。それが“パワー”なのかどうかは、あとでわかるのかもしれません。

現地文化を尊重しながら体験するために

モンゴルの聖地や祈りの場所には、古くからのルールやマナーが存在します。

たとえば、オボーでは時計回りに3周まわる、ハマリンヒードでは帽子を脱いでから祈る、など。

観光で訪れる場合でも、写真を撮る前に一礼する・声のトーンを落とすなど、ちょっとした配慮がその土地への敬意として伝わります。

「見る」だけでなく、「体験する」旅にするためには、文化に耳を傾けることも大切な一歩です。ガイドがいると、マナーがわかって安心です。

心を整え、旅に出る理由が見つかる場所

モンゴルのパワースポットを巡る旅は、ただの観光とは少し違います。

静けさの中で耳を澄ませるように、自分の内側と向き合える時間がある。そこには「何かを感じなきゃ」というプレッシャーもありません。

忙しさに追われる日々から少し距離をおいて、ただ“その場所に立ってみる”ことでしか得られない気づきがあるかもしれません。

風の音、乾いた土、見渡す限りの空。誰かに決められたパワーではなく、あなたが何を感じるかを大切にする――

そんな旅が、モンゴルにはあります。

ツォクトのおすすめ|パワースポット周遊&乗馬体験ツアー

神聖な場所を訪れるときこそ、安心して楽しめる旅が大切。

ツォクトのツアーでは、送迎付き・現地ガイド同行だから、初めてのモンゴル旅でも心配なし。

訪問先のマナーや過ごし方もしっかり案内があるので、文化を尊重しながら楽しむ旅ができます。

さらに、ツォクトのツアーは現地の遊牧民と直接つながる仕組み

参加することで、モンゴルの地域経済や文化継承を応援する旅にもつながっています。

聖地へ乗馬で駆ける|エージハッドツアー

パワースポットを旅の主役にするならこのツアー。

乗馬でテント泊しながらエージハッドへ向かいます。

静かに自分と向き合う時間は、きっと忘れられない体験に。

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冬の静けさに包まれる|トーラ川沿いの遊牧民ゲル宿泊

もうひとつのおすすめはトーラ川沿いでの遊牧民ゲル宿泊できる冬のツアー。

遊牧民の暮らしを体験しながら自然の力を感じる滞在が叶います。

冬限定のツアーで、星空や雪景色の中で過ごす静かな夜も魅力です。

▶︎ ツアー詳細を見る

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スギウラ ユウ

スギウラ ユウ

アウトドア好きのアラフォー編集者。ユニークな体験を求めて国内外をさまよう。デジタルデトックスに憧れて旅に出るも、結局パソコンを手放せないのが悩み。ツォクトHPを世界一のモンゴル旅メディアにして、モンゴルを元気にするのが野望。

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