サインバイノー!モンゴル旅行専門会社のtakeshiです。
今回は、乗馬中に暴走する馬の止め方を知りたい方向けに記事を作成いたしました。
ですが、暴走してしまった馬を止めることはかなり困難なため、暴走するところまで馬を追い込むのではなく、その手前でなんとか抑えることが、安全な乗馬のためには一番大切です。
またツォクトモンゴル乗馬ツアーで、爆走ツアーに参加いただく場合は、駆け足経験が必要ですが、暴走した時に馬の止め方を理解している(止め方の難しさも含めて)ことが前提となっております。
- 乗馬で駆け足の経験があること
- 自力で駆け足からの停止方法を把握して実行できる
爆走ツアーとは以下です。
-
大草原を駆け足する!乗馬トレッキングテント泊ツアー(3泊4日〜) | ツォクトモンゴル乗馬ツアー
このツアーは、乗馬トレッキングが体験できます。乗馬経験者向けに設計されており、大草原を長距離爆走できるチャンスを提供します。乗馬技術に合わせてコースや距離を調整できるため、参加者は草原、山、林といった ...
mongol-jyouba-gakkou.com
-
200km走破!グンジン寺を目指す乗馬トレッキングツアー(5泊6日〜) | ツォクトモンゴル乗馬ツアー
乗馬経験者 乗馬熟練者歓迎 外乗経験必須 海外乗馬経験必須 テント泊 200km走破!グンジン寺を目指す乗馬ト
mongol-jyouba-gakkou.com
1.乗馬で駆け足の経験があること
日本や海外にて乗馬での駆け足経験があるかということになります。短い時間でも構いませんので馬で駆け足したときの「怖さ」を経験済みであれば問題ないと考えております。
爆走ツアーでは1日目の最後の方に駆け足をするタイミングがありますが(進み具合やスキルによって行わない場合もあります)駆け足時の速度の変化や乗馬姿勢について経験がない場合、恐怖で自ら落ちてしまう方がいらっしゃいます。速足と駆け足では乗り手の感覚が全く異なってくるため、駆け足の恐怖(と楽しさ)を理解いただいていることがご参加にあたって必要であると考えています。
2.自力で駆け足からの停止方法を把握して実行できる
自力で駆け足からの停止方法を把握して実行できるということが一体どういうことなのかをご説明いたします。
モンゴル馬は細かな合図はわからない
まず大前提として、モンゴルの馬は日本の乗馬クラブの馬たちのように手綱の細かな合図で進む方向や速度を調整することはできません。
もちろん、馬とのコミュニケーションが密になってきて双方の信頼関係が構築された後は細かな動作や乗り手の顔の向きだけでも馬が反応するようになります。
ただこのレベルに到達するためには2,3日継続して馬に乗り続けて得られるものになりますので、爆走ツアーの場合は乗馬最終日にこういった感覚になることは可能です(乗り手の馬とのコミュニケーション力次第です)
話がそれました。
乗り手の明確な指示が必要
一般的にはモンゴルの馬は、乗り手の明確な指示によって速度や進む方向を変える必要があります。
右に曲がりたい場合は、手綱を右に持っていき馬の頭が右に向くようにします。
速度を上げたい場合は、腹を足で軽く蹴ることで速度が上がっていきます。
馬を止めたい場合は、手綱に体重をかけて後ろに引っ張ります。速度によって力のかけ方は変わってきます。
駆け足からの停止方法
駆け足から停止させる方法は以下です。
- 体重を後ろにかける
- 手綱を後ろに引く
力を入れすぎると嫌がる馬もいるので、引く力は乗りながら見極めてください。徐々に力を入れながら引いていく感じです。馬に対して止まりたいよという合図を送りながら引くようなイメージですね。
通常であればこれだけで馬の速度は徐々に落ちていって止まります。
※駆け足から止める時はしばらく歩かせてから止めるようにしてください。急に止めると馬の足に悪いためです。ご注意ください。
速度に乗ってしまった馬を止めることは遊牧民でも困難!?
馬が駆け足状態になり速度に乗って襲歩になった馬を停めることは遊牧民でも大きな力が必要になります。競馬用の馬で速度に完全に乗ってしまった馬を力で止めることは遊牧民でもかなり困難です。
全身の体重を後ろへ思いっきりかけながら腕でも全力で引っ張る力が馬の力よりも勝った場合に馬が止まります。ただ全身の力を使って止めることはモンゴル人でも何度も練習することで身につくものとなります。
安全な駆け足
具体的に映像でご説明します。まずは安全な駆け足の状態です。並
足から駆け足に移行しています。最後は少し早く走り出しそうになったので止めました。2022年のグンジンスムツアー時の1日目ですね。グンジンスムツアーでは爆走ツアーよりも長距離を進むため1日目からこれぐらいの速度で走ることが多いです。
みなさん良い感じに乗っていますね。余裕もあるのでこれぐらいの速度であれば自力で止めることができる状態といえます。これぐらいの速度を維持するようにしましょう。
危険な駆け足(襲歩気味)
止めることができなくなった馬をご覧ください。
画面後ろからやってくる灰色の馬が暴走状態になっています。あまり走らない馬だったのですが、ガイドが何日も走らせたためか軽く合図するだけで走り出して止まらなくなる馬になってしまいました。
乗り手は日本語ガイドです。体重を後ろにかけて体を使って全力で止めているのがわかると思います。それでも止めることができていません。馬は群れの動物のため、周囲の馬が走り出すとつられて走ってしまいます。動画のように暴走気味の馬が近くを走ると他の馬も暴走してしまうので危ないので、できるだけ周囲に馬がいないところを進ませて、かつ周囲の乗り手は暴走馬が近づいてきたら、つられて走り出さないように手綱を強めに引いておくなどの対応が必要です。
馬は全力で走ると死んでしまう?
馬が全力で走ると、その負担は計り知れません。特に暴走状態に陥った馬は、乗り手の指示を無視し、限界まで走り続けることがあります。しかし、馬は持久力のある動物ではありますが、全力で走り続けると、最悪の場合、心臓や肺に大きな負荷がかかり、命を落とす危険性があります。実際、競走馬が全力で走り続けた結果、突然倒れてしまうケースも報告されています。このため、馬が暴走する前に速度を制御することが、馬と乗り手の安全を守るために非常に重要です。
馬が暴走する原因
馬が暴走する原因はたくさんありますが、主として馬が恐怖を感じた時です。
馬によっては、鎧から足が外れて鎧がプラプラしているのを目にした瞬間暴走する馬もいますし、地面でねずみが急に現れただけでも走り出してしまう馬もいます。
馬が恐怖を感じないようなノリこなしが必要になります。
暴走した馬を止める方法
動画のように暴走してしまったらどうすれば良いのか。暴走した馬を止める方法は以下です。
- 草が短く地面が見えているところへ行く
- 左右に首を振る
- なだらかな斜面へ向かう
- 鎧が足にからまない状態を維持する
1.草が短く地面が見えているところ
走らせる道は安全なところであるべきです。
草が短いところというのはネズミの穴ボコなどがあっても馬が見えるようにしておくためです。走っている状態で穴ぼこにつまづいたり、急に見えた穴ボコを避けるために横飛びするようなことを避けなければいけません。
万が一横飛びしなければならないところでも乗り手が横飛びすることをわかっていれば振り落とされにくくなるためですね。
2.左右に首を振る
左右に首を振ると馬の速度は落ちていきます。
ただ暴走時は首を左右に振ることにも大きな力が必要になるため、左右どちらかの安全な方向へ首を振りましょう。乗り手の体勢も崩れやすくなりますのでご注意ください。
3.なだらかな斜面へ向かう
登り坂へ進ませると馬の速度は急速に落ちていきます。坂道を登るのは大変ですよね。
何をしても止まらなかった時は諦めて登り坂へ向かいましょう。
4.鎧が足にからまない状態を維持する
止める方法ではありませんが、安全のために最も大事なことです。
鎧が足にからまると大事故につながります。乗馬中は普段から鎧は浅く足をかけてください。かかと側に体重を乗せながら乗馬しましょう。
爆走中に鎧にかけている足の位置を変えることは出来ないため、普段から足の位置を確認しながら乗ってください。
パニックにならない
暴走してしまった時に危険なことは乗り手がパニックになることです。馬は乗り手の状態を理解しているので乗り手がパニックになっていたら馬もパニックになってさらに走り続けようとします。乗り手をふり落とそうと思うかもしれません。
ツォクトに出会う前の2013年にテレルジで乗馬していた頃、乗馬を何度かした程度の時に競馬用の馬をあてがわれたことがありました。乗り手がなん名かいると一番大丈夫そうな若い人に危険な馬があてがわれがちなためです。お年寄りに危ない馬を乗せるわけにはいけませんよね・・・
その馬は僕が気に食わなかったようで、僕が油断した隙にいきなり暴走を始めました。僕の体感速度は新幹線ぐらいの速度に感じました。過去に落馬の経験もなく、すごい速度にびっくりしながらも恐怖も感じずなんとか馬に乗っていました。そのときは止める技術を持っていなかったです。強く引けばよいということは頭にありましたが、体重をどこにすれば良いのか、鎧はどう踏み込めば良いのか、手綱をどうやって引けば良いのかなど全然わからず、少しでも何かやろうとすると体勢を崩してしまいそうだったため、何もできませんでした。
馬は速度をあげると僕が落ちると思っていたようでしたが、僕が落ちないのを見てとると林の方向へ走り出しました。木にぶつけて落とそうとしてきたのです。
これは危ないと思ったので落ちることにしましたが、高速状態で林の中なので飛び降りることもできません。まごまごしていると木が目の前に迫ってきたので飛び降りたら、鎧に足がひかっかって引きずられてしまいました!これは最悪死んでしまうぐらい危ない状態です。
僕は頭を打たないように馬の尻尾を掴みながら体を浮かせつつ、鎧が外れるように頑張りました。なんとか鎧は外れて地面に投げ出されて助かりました。下手したら死んでいたなと思います・・・あれ以降テレルジで馬に乗ることはやめました。
今にして思うと、競馬用の馬だったのでプライドが高かったのでしょう。そんな馬が僕みたいな当時の乗馬素人を乗せたくないのも当然でしょう。それぐらい馬は誇り高い生き物です。
もちろんツォクトモンゴル乗馬ツアーでは競馬用の馬をお客様に乗せるようなことは行いませんのでご安心ください。
話がそれました。
馬の暴走時はパニックにならずに馬が止まるのを待つことが必要です。
馬が暴走しないために
馬が暴走しないためには、駆け足以上の速度にならないようにすることが必要です。
自分が許容できる速度よりも早くなりそうであればすぐに手綱を強く引いて速度を落としましょう。馬は速度に乗ってしまうと首が下に下がってロックしたようになります動画の爆走時のような状態)こうなると速度を落とすことは簡単ではありません。
こうなる前に速度を落とすことが必須です。
周囲の馬が駆け足を始めたり、後ろから駆け足中の馬が真横を通り過ぎた時は一緒に走り出してしまうため、そのような状態になりそうな時は事前に手綱を強く引いておくか、その場から離れましょう。
許容以上の速度にならないように常に気を配ることが安全への一本道です。
モンゴルの乗馬方法は以下にまとめております。爆走時の注意事項は入っておりませんがご参考になさってください。
-
モンゴルの正しい乗馬法・走り方を解説!注意点13選 | ツォクトモンゴル乗馬ツアー
モンゴルで楽しく安全に乗馬するために必要なことや注意点をまとめました。馬の習性を学び、馬の乗り方・走り方についての基礎知識を得ることで楽しい乗馬ライフを過ごしてください。
mongol-jyouba-gakkou.com