モンゴルのツアーを探す

モンゴル草原火災と朝青龍|日本人に寄り添った言葉と現在の姿

モンゴルの草原
モンゴルの草原

サインバイノー!ツォクトモンゴル乗馬ツアーのSUGIです。

10月にモンゴル東部で、東京都の2倍を超える広さの草原が焼ける大きな火災がありました。

日本の会社が関わっていたこともあり、日本でもたくさん報道されています。

そんななか、Xで日本人に寄り添う言葉を発信し続けたのが、元横綱の朝青龍(ドルゴルスレン・ダグワドルジさん)。

日本とモンゴルの両方にかかわる仕事をしている私にとっても、他人事ではないニュースです。

今回は朝青龍の投稿を中心に、モンゴル研究者の冷静な見方や、朝青龍の現在までお伝えします。

モンゴルの草原火災とは?東部の自然保護区で起きたこと

ナライハ大草原
ナライハ大草原

まずは、火災の基本をまとめておきます。

項目内容
場所ドルノド県のヌムルグ厳正保護区(モンゴルの東の端、国境地帯)
発生2026年10月8日
鎮火10月16日
焼けた面積保護区の約76%にあたる約44万9千ha。保護区の外を含めると約50万5千ha
火元とされたものKDDIの子会社モビコムの社員が乗った車両
現在モンゴル政府が原因と責任を調査中。損害賠償を求める方針

出典:日本経済新聞(10月22日)、ikon.mn(10月28日)、時事ドットコム(10月24日)

ヌムルグ保護区は、ヘラジカやクマ、淡水魚などが暮らす場所。

モンゴルでも数少ない、手つかずの自然が残る土地といわれています(ikon.mn・10月12日)。

モンゴル火災とKDDI・モビコムの説明

KDDIは10月23日に経緯を公表し、謝罪しました。

発表によると、モビコムの社員は国境港湾局の要請を受け、許可を得て保護区に入っていました。

目的は通信網の開通式典への出席と、通信品質の確認です。

移動中は、当局の車両が前後を走る車列。

車に絡まった枯れ草を取ろうと停車したところ、車の下から煙が出て、周りの草に燃え移ったと説明しています。

煙が出た詳しい原因は、現地当局がいまも調べているところです(日本経済新聞・10月23日、ケータイ Watch・10月23日)。

モンゴル火災で朝青龍は何を発信した?日本人に寄り添った言葉

草原で行われるモンゴル相撲
草原で行われるモンゴル相撲

日本企業への批判が強まるなか、朝青龍は日本語とモンゴル語でXの投稿を重ねていきました。日付ごとに追ってみます。

10月21日|日本人だけを責める見方に疑問

日本人への厳しい声が広がっていた21日の投稿がこちら。

一方的に日本人が悪いとされることに疑問を投げかけ、現地で同行したモンゴルの国会議員についても触れています。

同行者の顔ぶれは、まだ公式には明らかになっていません。

その2日後、KDDIが当局の要請と許可のもとで保護区に入っていたと公表。

SNSでは、朝青龍の投稿とあわせて受け止め直す声が増えていきました。

「朝青龍、頼りになるなあ」という声も届いていたそうです(J-CASTニュース・10月26日)。

10月23日|日本のメディアに「モンゴルにいらっしゃい」

23日には、日本のメディアに向けて現地に来てほしいと呼びかけました。

同じ日に、焼けた土地がノモンハン事件の舞台だったことにも触れています。

10月26日|首相官邸を訪ねたいと投稿

26日には、日本とモンゴルの双方でこの件を早く静めようとする動きを感じていると書き、近いうちに日本の首相官邸を訪ねたいとも投稿しました。

訪問が実現するかどうかは、まだ分かっていません(東スポWEB・10月26日)。

10月28日|ノモンハンの地で亡くなった若者への想い

私がいちばん心を動かされたのが、28日の投稿です。

緑が広がっていたころの保護区の写真とともに、ここが第二次世界大戦の始まりと終わりにかかわる土地だと紹介。

どちらが勝ったかを語るつもりはないとしたうえで、多くの若者が命を落としたことを心に刻みたいと書いています。

この地で亡くなった日本兵の遺骨を収集してほしいと、日本政府に何度も働きかけてきたことも明かしました。

厚生労働省も、2026年7月から8月にモンゴルへ派遣団を送っています。

ノモンハン事件の戦没者の遺骨について、DNA鑑定用の検体を採取しました(J-CASTニュース・10月28日)。

朝青龍の思いと日本側の取り組みが、これからもっとつながっていくといいなと思います。

モンゴル研究者・木村理子さんの冷静な見方

草原での食事
草原での食事

報道やSNSが熱を帯びるなか、モンゴル研究者の木村理子さんは、現地の地理をふまえた投稿をしていました。

専門はモンゴル演劇やモンゴル文化、現代モンゴル論です。

現場は日本人が自分たちだけでは行けない場所で、モンゴル人が同行して案内し、やっとたどり着けるところ。

丈の長い草が生える平原で、車に絡まった草を運転手がこまめに取り除きながら進む土地だそうです。

翌23日には、こんな補足も。

火の不始末が原因ではないようだ、という内容です。

草原をよく知る人の言葉は、ニュースだけでは見えにくい現地の事情を教えてくれますね。

朝青龍は現在何をしている?大統領特使から実業家へ

モンゴルのナーダム
モンゴルのナーダム

朝青龍は2010年に現役を引退したあと、母国モンゴルに戻りました。

現在は実業家として活動しています(中日スポーツ・2024年5月、FNNプライムオンライン・10月28日)。

引退してからも、日本とのつながりはずっと続いてきました。

朝青龍がプロデュースしたサウナ|ASA LAND RESORT

実業家としての顔のひとつが、サウナです。

旅行誌TRANSITの連載では、モンゴルのリゾート施設「ASA LAND RESORT」のサウナが、朝青龍プロデュースとして紹介されています(TRANSIT・2025年7月31日)。

サウナ室は2部屋だけの貸切制で、予約が必要です。

薪ストーブとセルフロウリュ、深さ150cmの水風呂があるそうです。

岩塩や凸凹のある木など、異なる素材を組み合わせたつくりも特徴です。

リゾートは、モンゴル帝国の都があったハラホリンの近く、オルホン川のほとりにあります(Amicus Mongolia)。

行きたい方は、営業状況を公式サイトなどで確認してくださいね

※2026年に予約しようと電話したりホームページからメールしましたが、電話は繋がらないしメールも返ってきませんので予約方法が不明ですが・・・

朝青龍、2017年に日本担当の大統領特使に

2017年8月、当時のバトトルガ大統領が、日本との関係を担当する大統領特使に朝青龍を任命しました。

任期は1年。

スポーツなどの交流を通じて、日本との協力を深める役目です(沖縄タイムス(共同通信)・2017年8月、J-CASTニュース・2017年8月4日)。

その年の大統領選では、Facebookでバトトルガ氏の選挙活動を連日伝えました。

若い世代の支持を集めたと報じられています(日本経済新聞・2017年7月11日)。

現在も特使を務めているという報道は見当たりません。

朝青龍は大統領を目指している?兄スミヤバザル氏の歩み

現役時代の2009年には、将来はモンゴルの大統領を目指していると報じられました(AFPBB News・2009年1月26日)。

政治の道を先に歩んだのは、兄のスミヤバザル氏です。

2012年の総選挙では落選しました。

その後、2017年に鉱業・重工業相として入閣しています。

2020年からは、ウランバートル市長を務めました(日本経済新聞・2012年6月29日、日本経済新聞・2017年10月)。

その後は市長を退任し、2024年の総選挙を前に首都の人民党委員長も退いています(News.MN・2024年5月15日)。

朝青龍本人が大統領選に出るという表明は、いまのところ確認できていません。

それでも今回の発信を見ていると、日本とモンゴルのあいだに立とうとする姿勢は、特使のころから変わっていないように感じます。

ヌムルグ保護区の回復は?日本からの支援

モンゴルの草原
モンゴルの草原

焼けた保護区がもとの姿に戻るには、長い時間がかかるとみられています。

モンゴル側では被害額の算定が進んでいて、評価は11月6日に出る予定と現地メディアが伝えています。

時期が早まる可能性もあるそうです(ikon.mn・10月28日)。

日本政府は10月27日、森林や自然環境保護の分野のJICA専門家を現地に派遣しました。

調査の結果をふまえて、機材の提供や人材育成などの支援を検討するとしています(読売新聞オンライン・10月28日)。

モンゴル草原火災と朝青龍についてよくある質問

13世紀村へ向かう乗馬
13世紀村へ向かう乗馬

ニュースを見て気になりやすいことに、短くお答えします。

Q. 朝青龍は現在何歳?

A. 1980年9月27日生まれで、2026年10月時点で46歳です。

Q. モンゴル火災のとき、車に乗っていた日本人は何人?

A. KDDIの発表では、モビコム側の車両2台に、運転手を含む社員7人が乗っていました。

日本人は、モビコムのCEO1人です(ケータイ Watch・10月23日)。

Q. モビコムはどんな会社?

A. KDDIなどの出資で設立されたモンゴルの総合通信会社で、モンゴルで初めて携帯電話サービスを始めた会社です。

2016年にKDDIの連結子会社になりました(日本経済新聞・10月23日)。

Q. ノモンハン事件とは?

A. 1939年5月から9月にかけて、当時の満州国とモンゴルの国境付近で、日本・満州国軍とソ連・モンゴル軍が衝突した戦いです。

モンゴルではハルハ河戦争と呼ばれています。

Q. 朝青龍と豊昇龍の関係は?

A. 横綱・豊昇龍は兄スミヤバザル氏の次男で、朝青龍の甥にあたります。

Q. モンゴル旅行への影響は?

A. ヌムルグ保護区は、もともと一般の人が自由に入れない場所です。

ツォクトのツアーで訪れる地域でもありません。

気になることがあれば、LINEやお問い合わせからお気軽にご相談くださいね。

ヌムルグの草原が、また緑に戻りますように

モンゴルの夕日
モンゴルの夕日

火災の原因や責任は、これからの調査で明らかになっていきます。

そのあいだも、日本とモンゴルのあいだに立って言葉を届けてくれる人がいる。そのことを、心にとめておきたいなと思います。

モンゴルの歴史や文化をもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

モンゴル旅行のご相談は、LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

この記事の出典・参考にした記事

この記事は、以下の報道とXの投稿をもとに書いています(2026年10月29日時点)。

▶ ツアー選びに迷ったら

ツアー診断をする(約2分)

▶ ツアー一覧はこちら

ツアー一覧を見る

🌍 モンゴル乗馬旅行のリアルな様子をInstagramで発信中!

▶︎ Instagramはこちら

@mongol_horse_tour を見る

📩 ツアーに関するお問い合わせはこちら

▶︎ 公式LINEで質問する

LINEで質問

▶︎ お問い合わせフォーム

フォームへ進む

この記事をシェアする

この記事を書いた人

スギウラ ユウ

Sugi

アウトドア好きのマーケター兼広報。ユニークな体験を求めて国内外をさまよい、モンゴルをきっかけにキルギス在住。好きなのは冬のモンゴル。デジタルデトックスに憧れて旅に出るも、結局パソコンを手放せないのが悩み。ツォクトを世界一のモンゴル旅メディアにして、モンゴルを元気にするのが野望。

Home Instagram Facebook X