モンゴルの習慣をご紹介します。たくさんありますが、モンゴルの遊牧民宅を訪問される際にはぜひ意識してみましょう!
最近はそれほどうるさく言われていませんのである程度は大丈夫です。
・ バガナに抱きついてはいけない。
※バガナとは、モンゴルの伝統的な移動式住居「ゲル」の中心に立つ、屋根を支える2本の柱のことです。単なる建築部材ではなく、ゲルの中で非常に神聖な意味を持つ場所とされています。
・ 物を背負って、ゲルに出入りしてはいけない。
・ 秋の夜にゲルの扉を開けっ放しにしておくと、その家の娘がさらわれる。
・ ヤカンの口は扉のほうに向けてはいけない。
・ バガナの間は通らない。(絶対に守ってください。その夫婦を別れさせると言う意味になります)
・ ゲルに入る時は右足から。
・ 入る時につまずくのは、幸運を入れたとして大丈夫。出る時につまずくのは駄目。
・ 飲食物を受け取ったら、一口は口にしてから器を置く(礼儀として比較的大切です)
・ 物の受け渡しは右手で。アルヒや嗅ぎ煙草の場合は左手を右ひじの下に添えて。
・ 帽子を脱いで置くならば、帽子の口は下向きになるようにして置く。
・ ゲルから出る時は、何か口にしてから出る。
・ タラグの茶碗は最後に舐める。
・ 頬杖をついてはいけない。
・ 足を踏んだら、握手。
・ ゲルを出る人より入る人優先。
・ 人の帽子を被る時は、その中に唾を吐いてから被る。
・ オールガなど馬の道具をまたいではいけない。
・ 馬から落ちたら、おしっこをする。
・ 解体した牛などの家畜の目玉はトーノから外に向かって投げる。
・ 夜、子供が外に出るは悪霊にさらわれないよう、炭で鼻筋を塗る。
・ 右の手のひらがくすぐったかったら、贈物をもらう前兆。誰かに横取りされないように手のひらを握る。左の手のひらがくすぐったかったら、誰かに物をあげる前兆。
・ 北斗星にミルクを捧げ、祈る。
・ 犬に噛まれたら、犬の毛を貼る。
・ ものもらいになったら、生肉を挟むか母乳で洗う。
・ 流れ星を見たら、「自分の星じゃない」と唱える。
・ 油っこいものを食べた後に冷たいものを飲んではいけない。
・ 食べてすぐ横になると狼になる。
・ 膝蓋骨(toig)をきれいに食べるとかわいい子が生まれる。(特に男性)
マッサージをした手は、手の甲を地面に叩く。そうしないと、マッサージをしてあげた人の痛みが自分にきてしまう。
・ 馬乳酒はお椀に少し残して返す。そうしないと、翌年その家に子馬が生まれない。
・ 暑い日に昼寝すると馬鹿になる。
・ 目の上がピクピクしたら、嬉しいことが。目の下がピクピクしたら、悲しいことが。唇の上がピクピクしたらおいしいものが食べられる。唇の下がピクピクしたら帽子を重ねて被ってはいけない。その帽子の数だけ結婚することになる。
・ 馬のムチの輪を通して向こうを見ると幽霊が見える。
・ 馬の涙を目につけると幽霊が見える。
・ 魚を食べてミルクを飲んではいけない。
・ 蛇にミルクをかけて退治する。
・ 遠出をする人、競馬に出る子供達にミルクを掛け、安全や勝利を祈る。
・ その日最初に煮たスーテーツァイは、帽子を被って天に奉げる。
・ 肩甲骨(dal)は、母方の親戚で年上の人がいれば、必ずその人に渡す。もしくは、その家の主人や客人などに。受け取った人は、少しずつ肉を皆に切り与えなくてはならない。
・ 太ももと骨盤を結ぶ骨(cuuj)は幽霊の骨と呼ばれている。食べた後、そのままにしておくと夜中うなされるので、穴の開いている部分から切れ目を必ず入れる。
・ 赤ちゃんが泣き止まなかったら、ストーブに塩をふりかけ、その上で子供を右回りに回す。
・ 赤ちゃんが寝ている時にキツネが夢に現れ、赤ちゃんを泣かすと言われているので、キツネの飾り物をつるし、先客がいることを伝える。
・ 子供が幽霊にさらわれないように名無し(nergui)、それじゃない(terbish)といった名前を付ける。
執筆本文:小山久子
編集:長岡岳志