2025年8月にご参加いただきました、まーたしさんの旅行記です。お客様には1日ごとの出来事をそのまま書いていただくようにご依頼しています。
※旅行記には、ツアー内容やガイドとのやりとりなども書かれております。
ツアーをより良くするために大切なのは、ガイドやドライバーモンゴル人、他のお客さまとの心の距離です。
旅程内容はこなしますが、それを上回る内容は、ガイドとみなさまとのつながりから生まれるものです。
ぜひ、ガイドやドライバー、他のお客さまとの心の距離を近づけて、皆さんで最高のツアーを作ってくださいね。
-
-
モンゴルの大草原を駆け足!乗馬トレッキングで13世紀村を目指すツアー<3泊4日〜5泊6日> | ツォクトモンゴル乗馬ツアー
モンゴルの広大な大草原を舞台に、乗馬体験とトレッキングを楽しめる3泊4日からのツアーです。13世紀村の観光や変化に富んだ地形を巡るコースで、乗馬経験者の方に特におすすめ。技術に応じてコース調整も可能で ...
mongol-jyouba-gakkou.com
1日目
初日は夕方17時頃、チンギス・ハーン国際空港に到着しました。

到着ロビーを出ると、運転手の方とガイドのオギさんが笑顔で出迎えてくださり、流暢な日本語で挨拶をいただきました。同じツアーに参加する二人と合流し、私たちは専用のバンに乗り込み、今夜の宿泊先であるツーリストゲルを目指します。
移動の途中では、人気ドラマ「VIVANT」の撮影地にも立ち寄ってくださり、思いがけないサービスに一同大喜び。車窓から眺めるモンゴルの景色は次第に広がりを見せ、揺られること約1時間半、目的地の「エルデネツーリストゲル」に到着しました。真夏の8月にもかかわらず外気はひんやりとしており、目の前に広がる果てしない草原と点在するゲルは、まさに思い描いていたモンゴルそのもの。旅の始まりにふさわしい光景でした。

荷物を降ろし、本日泊まるゲルに案内していただくと、中は思った以上に快適。素朴ながらも温かみがあり、これからの滞在が楽しみになります。

ひと息ついた後は食堂へ向かい、夕食をいただきました。メニューは羊肉と野菜を煮込んだプレート料理。柔らかい羊肉はクセが少なく、素材の旨味がしっかり感じられ、本場モンゴルならではの味わいに感動しました。

食後はシャワーを浴びて旅の疲れを癒します。施設内のシャワー室やトイレは清潔に保たれており、安心して利用できました。明日は乗馬体験が予定されているため、この日は早めに就寝。静かな草原に囲まれながら、眠りにつきました。
2日目
2日目はいよいよ、2泊3日のテント泊乗馬ツアーがスタートします。見渡す限りの草原を、相棒となる馬と共に駆け抜ける旅の始まりです。ほとんど乗馬経験がない私にとって不安もありましたが、遊牧民からのレクチャーを受け、恐る恐る鞍に跨がりました。最初はゆっくりと歩みを進め、30分ほどで速歩へ。さらに「チュッ!」という掛け声とともに馬が勢いを増し、気づけば駈歩に。馬に乗っているだけなのに、自分も全力疾走しているかのように息が上がるのを感じました。

途中の小さな街ではショップに立ち寄り、
地元の方から「羊乳酒」を振る舞っていただきました。

恐る恐る口にすると、感想はただ一言「酸っぱ!!」(笑)
貴重な体験となりました。
再び草原を進み、昼食は羊肉入りの焼きうどんのような料理。驚くほど美味しく、疲れた体に力が戻るようでした。


昼食後、ガイドのマンジーに「相撲がしたい!」とお願いすると、14歳のバットゥグス君が相手に。苦戦しつつも何とか勝利し、続いて挑んだマンジーにはあっさり投げ飛ばされてしまいました。遊び心あふれる時間を過ごした後は、午後の乗馬です。午前よりも駈歩の時間が増え、次第に馬との一体感を覚えながら、キャンプ地へと向かいます。

到着すると、すでにスタッフがテントを設営してくれており、自分の荷物を運び入れて一息。夕食は羊肉と野菜の雑炊で、冷え込んだ体に温かさが沁み渡りました。食後は皆で枯れ木を集め、焚き火の準備。火が灯ると冷たい草原の空気が和らぎ、炎の揺らめきに心が穏やかになります。見上げれば、そこには息をのむほどの満天の星空。この瞬間だけでも、モンゴルに来た価値があったと実感しました。焚き火を囲んでガイドや遊牧民、ツアー仲間と語らい、忘れられない一夜となりました


3日目
おはようございます。
テント泊の最終日が始まりました。朝食はソーセージと目玉焼き、そしてパン。冷え込む朝に、温かいスーテーツァイ(ミルクティー)が体にじんわり沁みわたります。今日も馬に跨がり、目指すは「13世紀村」

雄大な草原を進むうちに、ようやく馬の扱いにも慣れてきたように感じました。林や岩場では慎重に進み、馬と息を合わせながら道を切り拓いていきます。
しばらくして13世紀村に到着。


かつてのモンゴル帝国の栄華を再現したテーマ村で、当時の民族衣装デールを身にまとい記念撮影も楽しみました。その後はシャーマンの展示エリアへ移動。いくつものゲルを巡り、それぞれ異なるシャーマニズムの特色に触れることができました。

観光を終えると昼食です。メニューは羊肉入りのチャプチェ風の麺。少し濃い味付けながら食欲をそそり、あっという間に完食しました。

休憩中には大きな犬が現れ、人懐っこい様子に癒されました。

ただ海外ということもあり、あまり近づきすぎないように注意。
犬に別れを告げ再び出発すると、草原一色だった景色が次第にゴツゴツとした岩場に変化していきます。

野ねずみの巣穴を避けつつ、再び平原に出ると馬を駆けさせ、爽快な駈歩を楽しみました。
キャンプ地に到着後はひと休み…のはずが、遊牧民やガイドと「坂ダッシュ対決」に挑戦!標高1700mでの全力疾走は過酷でしたが大盛り上がり。優勝はやはり14歳のバットゥグス君、さすがの体力です。写真を撮ったり笑い合ったりと、思い出深いひとときになりました。



夕食は羊肉入りのわかめうどん風の麺料理。

現地の人はケチャップをかけて食べており、文化の違いを実感。試しに挑戦しましたが、私にはそのままの味の方が好みでした。夜は恒例の焚き火。冷え込む草原に炎の暖かさが心地よく、乗馬の疲れを癒してくれます。明日はいよいよゲルに戻る日。心地よい疲労感と共に、この日も早めに眠りにつきました。
4日目
4日目、いよいよ乗馬ツアー最終日です。朝目覚めて外に出ると、馬たちが草原に横たわり、穏やかな表情で休んでいました。写真を撮りながら癒され、名残惜しさを感じます。朝食はマカロニサラダとパン。パンに練乳を塗ってみると、意外なほど美味しく、ちょっとした発見になりました。


キャンプ地を後にし、ゲルへと出発。これまでの道を逆戻りする形ですが、駈歩にもすっかり慣れ、スピードを上げて草原を駆け抜けます。

馬たちが給水する姿を横目に一休みし、私たちも昼食をとりました。本日のメニューは羊肉入りのピラフ。キャンプ中の食事には毎回羊肉が登場しましたが、どれも野菜とのバランスが良く、今日のピラフもとても美味しくいただけました。



休憩を終えてラストスパート! ところが空模様が怪しくなり、遠くで雷が光り始めます。雷雲に向かって馬を走らせる私たちの姿は、どこか映画のワンシーンのようで勇ましく感じられました。ようやくゲルに到着した途端、雨が降り出し間一髪でセーフ。装備を片付けていると、今度は屋根を激しく叩く音が。外を見ると雹が降っており、後から到着した別のツアー参加者が大変そうにしていました。数十分後、空は一転して青空に。モンゴルの「一日に四季がある」と言われる所以を実感しました。
夕食はツアー最後のご馳走、待ちに待ったホルホグ。熱した石で調理した羊肉は臭みがなく驚くほど柔らかく、本場ならではの味に感動しました。


外に出ると夕焼けが一面に広がり、旅の締めくくりにふさわしい光景。思わず記念写真を撮り、胸に焼き付けました。



そして何より嬉しかったのは、二日ぶりのシャワー。三日分の汗と埃を流すと体も心もすっきり。明日は早朝4時半にゲルを発ち、空港へ向かいます。名残惜しさを抱えながら、この夜は静かに眠りにつきました。
最終日
5日目、いよいよモンゴルを離れ、日本へ帰国する日がやってきました。早朝4時に起床し、ゲルで共に過ごした仲間5人は2台の車に分かれて出発。お世話になったツーリストゲルを後にするのは名残惜しく、スタッフの方が朝食代わりにウエハースと水を持たせてくれた心遣いが嬉しく感じられました。運転手はツアーを通して仲良くなったドブチュンдовчин。濃い霧が立ち込める道を、彼の確かな運転で安全に進み、無事に空港へと到着しました。

到着すると、いよいよお別れの時。冗談を言い合ったり、一緒に写真を撮って笑い合ったドブチュンとの別れは寂しく、ぜひまた再会したいと心から思いました。空港内では最後の思い出に、ゲルメンバー全員でオブジェの前で集合写真を撮影。

入国審査を済ませ、出発までの時間でお土産を物色します。ツーリストゲルでも購入していましたが、買いそびれた分をここで補充。定番のゴールデンゴビチョコレートやマグネットに加え、私はモンゴル地図と動物図鑑を購入しました。「ここでしか手に入らないものは買っておかないと後で後悔する」と思い、つい手が伸びてしまいます(笑)。




買い物を終えると搭乗の時間。窓の外に広がる草原を最後に眺めながら、モンゴルを後にしました。今回の旅では、どこまでも広がる自然、自由に育つ馬たち、そして現地ガイドや遊牧民の人々の温かさに触れ、忘れられない体験となりました。またツアー参加者との交流も深まり、一人旅では得られない充実感を味わえたことも大きな収穫です。モンゴルは、再び必ず訪れたいと強く思わせてくれる国となりました。