モンゴルで遊牧民と結婚した小山久子さんによる、モンゴル奮闘記シリーズ。今回は、ゲルの組み立て方に関する話。
モンゴルの広大な草原に点在する白い「ゲル」。それは、遊牧民の暮らしと文化の象徴です。一見シンプルに見えるこの円形の住まいは、解体すれば運びやすく、組み立ては迅速に行えるという、移動を前提とした生活に最も適した構造になっています。慣れた人々が協力すれば、わずか数時間で快適な我が家が草原に出現します。
短い滞在期間では、ゲルの組み立てになかなか出会えないものなので、ここで簡単にゲルの組み立てをご紹介します。
ゲルの組み立て手順
1.まず、4〜5枚ある「ハナ」と呼ばれる蛇腹状の壁を広げます。そして、それを紐でつなぎ合わせ、円形の壁の骨組みを作ります。(ゲルの大きさによりハナの枚数は変わります。)

2.ハナに扉を結びつけ、ゲルの円形を整えます。

3.「バガナ」と呼ばれる2本の柱を中心で人が支え、「オニ」と呼ばれる屋根になる無数の棒を、バガナの穴とハナの上部のV字部分に合わせ、放射状に置いていきます。

4.全てのオニを置いた後、屋根の上に内張りとなる白い布を敷き、布の裾についている紐を、ハナやバガナに結びつけ、固定します。

5.ハナの外側を厚いフェルトで覆います。

6.屋根の上にも同じようにフェルトを敷きます。

7.屋根に防水用シートを敷きます。

8.ゲル全体を外張りの白い布で覆い、周りを2、3本の紐で固く縛って固定します。最後に、天窓(トーノ)の上に「ウルフ」と呼ばれる、雨除けの布を2つ折りにして結び付ければ完成です。

執筆本文:小山久子 編集:長岡岳志
スタッフより|遊牧民の暮らしの「基盤」を知る
モンゴルの遊牧民の象徴「ゲル」。一見シンプルですが、解体と組み立てが容易な円形の構造には、厳しい大自然の中で移動を続けるための知恵が凝縮されています。
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