2025年6月末にご参加いただきました、ひよりさんの旅行記です。お客様には1日ごとの出来事をそのまま書いていただくようにご依頼しています。
※旅行記には、ツアー内容やガイドとのやりとりなども書かれております。
ツアーをより良くするために大切なのは、ガイドやドライバーモンゴル人、他のお客さまとの心の距離です。
旅程内容はこなしますが、それを上回る内容は、ガイドとみなさまとのつながりから生まれるものです。
ぜひ、ガイドやドライバー、他のお客さまとの心の距離を近づけて、皆さんで最高のツアーを作ってくださいね。
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モンゴルの星空満喫ツアー|3泊4日〜|ナライハ大草原を乗馬トレッキング
モンゴルの広大なナライハ大草原を乗馬トレッキングで巡る、3泊4日からの星空満喫ツアーです。多様な自然を感じながら進むルートでは、夜はテント泊で満天の星空を眺める贅沢な体験が可能です。自然と調和した非日 ...
mongol-jyouba-gakkou.com
1日目
チンギスハーン空港に着くと、運転手のオーキーさんが笑顔で迎えに来てくれたことで、飛行機の長旅と緊張をほぐれました。
行きの車の中でも、モンゴル語を教えてくださったり、「あれはスーパーマーケットだよ」「あれは軍隊だよ」「鉄道が走っているのよ」とたくさん話して下さったのがうれしかったです。
明日からのモンゴルの旅はどんな景色が待っているのだろうと、もっともっと楽しみになりました。
ツーリストゲルに着くと、すぐに夕食の時間で、レストランゲルにてあたたかなミルクティーを入れてくださいました。
食事(この日はマトンのスープ。少し冷える夜にあたたかな食事は体をほかほかにしてくれました。)は他のツアー参加者のみなさんと一緒に食べられるスタイルで、おしゃべりしながらご飯を食べるのがすごく有意義だと感じました!

ご飯のあと、寝るまでには少し時間があったので、ゲルの裏の草原を散歩しました。モンゴルの夜はとっても長い!


9時まで明るくて、草原の遠くの夕日を見ると、「ああ、私今モンゴルいるんだ」と感じました。まだ自分がモンゴルにいるのが夢みたいで、ただひたすらぼーっとしてしまいました(笑)次の日の乗馬を楽しみにしながらふかふかの布団の中で眠りにつくことができました。
2日目
朝8時に起床して9時から朝ご飯をとりました。
昨日は10時に就寝して自分にとってはかなりはやく床に就いたのに、起きるまでに10時間も寝ていたことがびっくりで(笑)
参加者にとってはかなりゆっくりとゆとりのあるスケジュールにしてくださっているのがとてもありがたかったです。
そして10時からいよいよ馬さんと初対面し、乗馬!ツーリストゲルの周辺を約二時間周回しました。
私も同行者の母もほぼ乗馬経験は無く、最初のデモンストレーションでガイドのバギーさんが悠々と乗馬されていて「はい、では乗ってみましょう!」とおっしゃるので「え!もう!?」とすぐに乗れるか心配だったのですが、ツォクトさんの馬たちはとても穏やかで優しくて、私の馬さんの身体の動きがこちらにも伝わって、はじめての感覚でした。

手綱の持ち方から蒙古馬についてまで詳しく教えてもらいながら乗馬の練習を行いました。
お昼ごはん(モンゴルチャーハン、日本の味に近いやさしい味のチャーハンでした。モンゴルごはんの中で二番目にすきな料理でした!)のあとはいよいよキャンプへ出かけます。
二泊三日の乗馬。移ろう景色に何度でも感動しました。
草原にいる牛の群れ、遊牧民のゲルを見つけて、そのたびに子どものように「見て!」と母に声を掛けました(笑)キャンプ地について、丘まで自分の足で駆け上がって、遠くの出発した町を見ました。


そのさらに遠くにはまだ草原があって、空の青さが海のようにも見えて、大地の大きさは息をのむほど。
日本のどこを探してもないだろうなと思う景色を楽しませてもらいました。


3日目
朝起きるとテントの横では馬さんたちが草原の葉っぱを食べていて、三日目になっても起きるたびにここはどこだ…の気持ちになります。
それくらい日本では見たことのない景色の連続。

朝はツーンと冷たい風があって、空も淡く、私は一番好きな時間帯です。
丘を越えるたびに新しい風景、それを見るのが本当にわくわくしました。「あの丘を越えたら何が見えるだろうか」まったく予想のできない景色に胸を高まらせながら進んだ乗馬ツアーはどんなアクティビティにも代えがたい体験でした。

ガイドのバギーさんが馬たちの兄弟のはなしをしてくれました。
「あの馬とあの馬は色がすごく似てるでしょ?あの二頭は兄弟なんですよ」「あの馬たちは同じところで育っているんですよ」と馬たちの関係性を教えてくれて、その後それらを気にしてみると、私の馬はおにいちゃんのことが好きだからよく後ろを歩いていくことに「なるほど~」と思いましたし、そういう目でみると馬たちの社会があることがとても興味深いと感じました。

お昼は大きく広がった草原の丘の上でテントを張って、モンゴル風焼きそばをいただきました。パッタイのような平たい麺にだいすきなマトンのお肉が入ったスタミナ抜群のごはん。

お昼のあとの乗馬ではじめて駆け足にチャレンジしました。体への振動に最初はびっくりしましたが、その大きな振動が逆に楽しくなっていって、馬に乗りながら笑う変な人になってしまいました(笑)ちょっとだけ走ったりもしました!浮きました!!!生き物に常に向き合うモンゴルで、なにかと人がなんでもコントロールできてしまう国にいる私は、彼らの自然や生き物との対等な関係性がすごくいいなと思いました。

夜ごはんのあと、大雨が降りました。雷もなって、ちょっと怖かったくらいでした。
次の日にバギーさんに聞くと、「草原だから雷も落ちることはありますね」とおっしゃっていて、そんな環境の中でゲルをたてたり、遊牧したり、遊牧民のみなさんの大変さも感じました。一方で、雨も恵みであるということも感じました。一面に広がる草原の草や花たちも、雨の水のおかげで美しく、このすばらしい景色が存在しているのだと。
以前モンゴルに行ったことのある知り合いが「川も、できたり、なくなったりする」と教えてもらったことがあります。そんな自然の儚い姿も目にしました。
4日目
大雨の夜が明けて、朝はいつものように澄み切った空気。
テント泊にも慣れて、無意識に外へ顔と歯磨きをしに出て、遠くを眺めることが好きになりました。
テント泊最後の朝ご飯はマカロニサラダ。厚いハムとピクルス、カラフルなマカロニがマヨネーズで和えられて、久しぶりの冷たくておいしい食事でおなかいっぱいになりました。
出発までに私の馬のそばに居て、じっと馬を観察していました。
大きな丸い茶色の目、整った毛並み、いつの間にか自分の馬として愛情が生まれて、名前も付けましたし、頭に顔を近づけても静かに触らせてくれて、短い間でしたが本当に愛おしく感じました。
お昼は遊牧民のお宅へお邪魔し、お昼ご飯を振る舞っていただきました。
マトンとジャガイモと人参の肉じゃがのようなお料理。このモンゴルで食べたごはんはどれも美味しく、自分じゃないみたいにモリモリと口にしていたのですが、この日のランチがいちばんわたしは大好きでした!遊牧民さんのお宅によってミルクティーの味が少し違って、それを楽しむのもよい体験でした。

昼食後、ご家族の娘さんとそのお友達の少女たちとバレーボールをしたり、骨を使ったレースゲームで遊びました。モンゴルのあそび、すごくおもしろかったです!骨の4面には意味があって、馬、羊、ラクダ、牛。少女たちが知っている日本語やジェスチャーで私にどうやって遊ぶのかを教えてくれて、ゲーム中の表情が世界共通なのも、もういっかいやろう!と言ってくれたのも、きっとなかなかできない経験だと思って、それがとても記憶に残っています。

空港でシャガイ(家畜のくるぶしの骨)が売ってあったので買ったんです!教えてもらった幸運を忘れないように、日本でもあそんで、モンゴルを想うつもりです。またモンゴルにいって彼女たちに会ったら見せて、びっくりさせたいな。
午後から出発して、ツーリストゲルに帰ります。チームのみなさんもわたしも、この乗馬キャンプが終わってほしくない…!という気持ちからか、少ししんみりした空気でした(笑)
でもたかが三日されど三日、はじめての乗馬に等しい私の乗馬3日間、私の相棒が「うー」と名付けた馬さんでよかったなあと思います。
日本で馬や馬の写真、馬のイラストを見るたびに、「うー」とモンゴルとこの旅を思い出して、幸せに満たされた気持ちになると思います。

ゲルに着いて、馬たちと遊牧民の三人方とお別れしました。三人の遊牧民さん、特に人懐っこいジジさんはキャンプ中も乗馬中も顔を合わせてコミュニケーションをとってくれて、おちゃめな彼の性格に引かれました^^みなさんどなたもしっかりと乗馬中も私たちを見守ってくださり、いつも安心して馬に乗ることができていました。

5日目
最終日、朝出発の飛行機(8:40)のため4時に起きました。

これまでのテント泊ではあいにくの天気で朝日を見ることはできなかったのですが、最後の日にはモンゴルからの贈り物でしょうか、草原のはるか遠くからほんのりと明るくなっていく空を目に納めることができました。

五日間お世話になったガイドのバギーさんとのお別れ。
スタッフとして良いキャンプやツアーを遂行してくれただけでなく、モンゴルの一人の人として、たくさんおもてなしをしてくださって、モンゴルが大好きだと思えるようなお話をたくさんしてくださって、なによりもバギーさんの人柄が大好きになりました。
よく笑い、ていねいで、親切なバギーさんがガイドさんで本当に良かったです。
またいつかツアーに参加したときも、彼だったらいいなと思います。
空港までの道はあっという間に感じました。すっかり見慣れた風景も、五日前はすべてに興奮していたことを思い出します。
でも、もっともっとみたことのないモンゴルをまた来て、見て、感動したいと思います。
飛行機では、先に出発した同じパーティーの日本人参加者のみなさんに会うことができました。
モンゴルの方々との出会いだけでなく、共に行動した日本人のみなさんとの出会いもすごく大切なものになりました。わたしは今回のパーティーの最年少でしたが、皆さんが本当に良くしてくださって、大人になっても好奇心を大事に抱えている姿をリスペクトしましたし、ご縁があればまた、皆さんとモンゴルでまた会いたいな、と思いました。モンゴルから出発した飛行機は窓側の席でした。モンゴルの大地を、最後の最後まで目に焼き付けました。いつまでもこの雄大な大地と、そこに生きるモンゴルの人々がありますように
今後来られる方へ
日本にいると、感じようとしても、なかなか季節や自然の姿の変化するスピードと私たちの暮らしとの時間の流れるスピードがかけ離れていて、じっとその変化の美しさに気づくことができないのですが、モンゴルのあの草原の小高い丘に座って、じっと、太陽の光や、植物が風を受けて同じ方向へ動いている様子、小さな仔馬や子牛が一生懸命お母さんについていく姿、一瞬一瞬が意味のあるものに感じられて、こんな大きな国のこの小さな一瞬がどうもかわいく思えて、愛おしく思えて、わたしがそんな瞬間を拾うことができた嬉しさに「ここに来れてよかったな」と心から感じました。
馬もモンゴルの人々も、やさしくて、きっとあなたの素直な感動を受け入れてくれると思います。
日本では得られない特別な感動をぜひ体験していただきたいです!